活動記録

FFPW会員様アンケートのご回答集 vol.1

FFPW会員になってくださった皆さまに、以下の内容でアンケートを実施。

① あなたの思い描く、理想とする地域の未来像を教えてください。
② その未来に向けて、現状で問題点だと思うところは何ですか?
③ その問題解決のため、あなた自身が取り組んでいることがあれば教えてください。

それぞれの言葉で、自由にお氣持ちを語ってくださいました。ご回答くださった中から、いくつかご紹介します。


① あなたの思い描く、理想とする地域の未来像を教えてください。
 今から50年前、私の住む紀ノ川から西側の平野部は全て“市街化区域”に線引きされました。一面に広がっていた農業地帯は都市化され、緑が消滅しつつあります。しかし、県内では貴重な平坦地であり、農地の区画は中山間地に比べると広く、米麦や野菜栽培に適した農地がまだまだ残っています。
 日本の食料自給率が4割を切る中、この“市街化区域”でこそ、人が生きるために最低限必要な米麦や芋類を作っても、他産業並みの所得が得られるようにして、若者を農業に呼び戻したいと思います。
 また、学校給食で、米を始めとして地場産の有機農産物が使われるようにし、地域全体で有機農業が広まるようにし、消費者には日本の農業を守るために安い輸入品ではなく、国産・地場産の農産物を選択するようになってもらいたい。

② その未来に向けて、現状で問題点だと思うところは何ですか?
 安い農産物が大量に輸入され、その結果、農産物の販売価格が低迷している。その上、“市街化区域”では農地への固定資産税、相続税が路線価をもとに計算されており、農業継続に重大な障害となっている。これらに対する補償はわずかしかなく、後継者が育つレベルではない。
 また、輸入小麦が原料の食品から残留農薬が検出されたり、遺伝子組み換え農産物が大量に輸入され、世界一日本人が食べているらしい。学校給食でのパン食は、コメ離れの習慣をつけることにつながり、水田の耕作放棄地の増加、食料自給率の低下、生活習慣病の増加、地球温暖化の原因を作っていると思います。
 有機農業で米や野菜が作れることを知らない人があまりに多く、有機農業の広まりが遅々としています。

③ その問題解決のため、あなた自身が取り組んでいることがあれば教えてください。
 農民連・農民組合の一員として、仲間とともに農産物の輸入自由化に反対し、市街化区域農地への高額な税負担を軽減、学校給食の完全米飯化を求める運動を行ってきており、和歌山市では、生産緑地制度の創設など一定の成果も得ているが、更なる制度改善を求めて運動を行っています。
 有機栽培の小麦を作り、学校給食に提供。昨年からは、児童・生徒の保護者らと一緒になって県産小麦の増産プロジェクトに取り組んでいます。また、近所の2軒の農家といっしょになって、有機栽培の野菜を2つの小学校給食に提供しています。
 3年前より、野菜作りの“農業体験農園”に取り組み、JAわかやまと和歌山大学との共同研究を行っていますが、わが家の農業体験農園では、栽培方法に有機栽培を採り入れているため、これまで37家族に年間を通じて自ら有機栽培を体験してもらっています。
 10年以上前からは、有機栽培のコメ作り体験を、毎年2~4校の児童・学生に取り組んでもらい、5年ほど前からは、生協の親子連れにアイガモ農法のコメ作りに参加してもらっています。


① あなたの思い描く、理想とする地域の未来像を教えてください。
 気候変動がどうなっているか心配ですが、ある程度の近未来であれば、食糧生産者と消費者が地域でしっかり繋がれている。健康(広い意味で)づくりと生活の助け合いが自然とできている地域。子どもたちが地域で育てられる、そんな地域です。

② その未来に向けて、現状で問題点だと思うところは何ですか?
 「今だけ、金だけ、自分だけ」という新自由主義が跋扈していること。根本的には資本主義社会。その矛盾が地域で根深く反映していること。そんななかで努力している人たちがたくさんいるが、政治的に分断された人間関係。

③ その問題解決のため、あなた自身が取り組んでいることがあれば教えてください。
 当面の政治をより民主的にするために私なりに努力していること。地域のお米生産者と有機米生産者から玄米を購入。近所の畑を借りて有機的に野菜を作っていること。「地域まるごと健康づくり」をかかげている医療生協で自分のできることをしていること。など。


① あなたの思い描く、理想とする地域の未来像を教えてください。
 未来は次の世代の人たちに任せたいと思いますので、理想を押しつけることはしません。今の若者たちを信頼しています。

② その未来に向けて、現状で問題点だと思うところは何ですか?
 現在の大人たちのどうしようもない悪癖を、いつかはリセットしてくれるだろうと信じています。未来に自浄作用はあると信じています。

③ その問題解決のため、あなた自身が取り組んでいることがあれば教えてください。
 「打算ではなく皆が幸福に生きたいと思う正常な判断」を伝えたいと思いながら、日常の細かい課題を皆で考え解決しようという取り組みを積み重ねています。


① あなたの思い描く、理想とする地域の未来像を教えてください。
 村落単位で地域の生活が完了出来る社会。それぞれが好きなこと、得意なことをして 物々交換では無いが、それぞれが提供できる物品や役務で地域全員の生活が回る社会。子育てや老人のお世話も地域全員で行う、というか 子育てが好きな老人が行い、老人でも充分に地域貢献を自覚できる社会。

② その未来に向けて、現状で問題点だと思うところは何ですか?
 都会での生活へのあこがれを煽るTVドラマやマスコミによる刷り込み。

③ その問題解決のため、あなた自身が取り組んでいることがあれば教えてください。
 残念ながら出来ていませんが、農業、漁業、林業の第一次産業がまず基本になるので、私自身としては 自然栽培の農業を次世代につないでいきたい。


① あなたの思い描く、理想とする地域の未来像を教えてください。
 紀南地域は人口に対して農地が多いため、有効活用できれば地域で必要な農産物の多くを地域内でまかなうことが可能だと考える。
 基幹産業としての梅・みかんは残しつつ、耕作放棄が進む水田などを活用して家庭菜園や地場向けの多品目生産を増やす。
 多くの人が農業に触れる機会を得られる地域。

② その未来に向けて、現状で問題点だと思うところは何ですか?
 農地の流動性が弱いことが最大の問題だと考える。
高齢で自分では耕作できなくなった方、東京や大阪に住んでいる不在地主、話を聞くと何とかしたいとは思っているがどうすればいいか分からないという方が多い。また、そのうち運良く高く売れないかと待っている方もいる。行政も問題は認識しており、農地の担い手への集約を進めているが、もっと進んで欲しい。

③ その問題解決のため、あなた自身が取り組んでいることがあれば教えてください。
 私は認定新規就農者として認定されており、就農期間が終わり自立すれば認定農業者になり地域の担い手として農地の斡旋を受けることになる。
 私は他県からの移住者なので、まだ地域の方や行政の方と信頼関係が弱い。確実に実績を築いて、担い手として信頼されるようにコツコツ積み上げている。
 平行して、地場向けの品目(ワタ、コムギ、ダイズ等)の試験栽培を進めている。


お忙しい中ご回答くださった皆さま、本当にありがとうございました。

まだご回答いただいていない会員様も、お時間のあるときで結構ですので、引き続きお待ちしております。