昨年に引き続き、和歌山市環境保全型稲作グループ主催の圃場見学会が行われました。
(昨年その1>https://ffpw.net/2024/09/19/fffpw-news_20240919/)
(昨年その2>https://ffpw.net/2024/10/02/fffpw-news_20241002/)
仲間と自給用の稲作をされている方(2名)や今年から稲作を開始した方(2名)をはじめ、和歌山市農林水産課も参加されました。今回は天候の懸念などもあり、見学圃場を4か所(有機栽培、自然栽培、合鴨農法)に絞りました。
まずは、有機認証を取得されている神谷憲次さんの圃場へ伺いました。
今年は田植え前の2回代掻きが成功し、ほとんど雑草が生えて来なかったとのこと。有機農業に変えられてから雑草対策が一番大変だったそうですが、今年はヒエも生えず、病虫害も出ず、株割れもないそうです。
(*2回代掻き:NPO法人 民間稲作研究所の提唱する農法。田植え前の準備として代掻きを2回行うことにより雑草の生育を防ぐ。1回目と2回目の間はできれば20日ほど開けるのがよい)
圃場に指を入れて見ると、トロトロ層と呼ばれている柔泥の層(指がすっと入って行く深さ)が5、6㎝あります。これが雑草を防ぎます。


次は自然栽培を行っている久保智和さんの圃場を見学しました。
苗は専用ポットで育て1本ずつ定植します。このポットにコストがかかるそうですが、破損しなければ繰り返し使えます。田植え機はポット苗に合わせた専用機が必要です。
ポットは底に穴が開いていて、根が下から水を吸い上げられるようになっています。ポットの穴の中は根がぎっしり詰まっていました。ポット苗の利点は、軸が太く育つのでジャンボタニシにやられにくいこと。


田植えの際に苗の間隔を30㎝開けます。稲が密生しないことで光が良く当たり光合成の効率が良く、風が通るので病害虫が発生しにくくなります。
田植え前の代掻きは10日から14日(最低8日)開けて2回行います。田植え直後は苗が見えにくいほどですが、育って来ると慣行栽培に追いついて来ます。
すぐ近くで自然栽培を行う堀内眞三夫さんもポット苗を使用されています。
昨年は苗がやや小さかったのでジャンボタニシの被害に遭い、今年は45~60日苗を植えたそうです。田植えは6月15日頃でした。

正午になったので昼食休憩とし、フードセンターイワセ(https://f-iwase.jp/)で予約した和歌山産有機野菜たっぷりのお弁当をいただきながら懇談の場を持ちました。技術的な質疑から農政に関する意見まで活発な意見交換の場となりました。
昼食・懇談の間に雨が本格的に降り出していましたが、最後に予定していた合鴨農法を30年続けている貴志正幸さんの圃場へ移動しました。
去年も訪れた圃場ですが、合鴨を放っている場所は変わっていました。合鴨を入れる圃場は、イタチ等を防ぐために網で囲い、電気を流します。
あいにく、圃場見学が始まったとたんに雨と風が激しくなり、早めに切り上げざるを得ませんでした。元気な子鴨たちに別れを告げて見学会を終えました。

