お知らせ, 活動記録

和歌山市内の有機・自然栽培等稲作圃場見学会の御報告(その2)

(その1はコチラ>>https://ffpw.net/2024/09/19/fffpw-news_20240919/

前回7月8日は梅雨明け前の圃場を見学して回りましたが、その後猛暑の夏がやって来ました。

巷ではカメムシによる様々な作物への被害が耳に入り、今年の稲作はどうなのだろうと懸念がよぎり、あの稲はどんな風に育っているだろう?と氣になり、収穫前の様子を見てみたくなりました。

9月の2週目に入っても衰えない日差しの中、前回見学した同じ圃場を一巡してみました。


まずAさんの圃場です。

AさんはEM菌を活用した栽培法を行って有機認証米を栽培されています。栽培品種はキヌムスメ。

しっかり実って黄色く色づいていました。収穫は9月下旬の予定。

Aさんの圃場

次はBさんの圃場です。

1本苗をポットで育てて植え付けたBさんの圃場のことは気になっていました。前に見た時はひょろひょろと頼りなげでしたが、「収穫前になると周りの慣行栽培の稲に追いついて来ます」と話されていたので、どれだけ大きくなったのでしょうか。

行ってみると、端の方のジャンボタニシに食べられてしまった所を除き、1本が直径10センチほどに分けつしてたくさんの穂が実りはじめていました。品種は晩生のニコマル。収穫は10月下旬の予定だそうです。

Bさんの圃場

次は宇田森のCさんの圃場です。

こちらもポットで育てた1本苗を植えました。しっかり分けつして実っています。稲の列の間に隙間がある所がありますが、空間がある方が風が通り病気になりにくいそうです。植え付けの間隔は、慣行栽培よりも大きめに取ります。苗がたくさん分けつするだけでなく、そこに穂が実ること、これが大事です。

品種はニコマル、亀の尾やアサヒ、一部もち米もあります。早生品種の収穫は9月下旬、もち米は10月中旬、晩生品種の収穫は10月末から11月初めだそうです。

Cさんの圃場

Cさんの近くのDさんの圃場では、早生品種の亀の尾が黄色く色づき、収穫間近の様相でした。

9月下旬の刈入れを予定されています。作付け品種は亀の尾、ニコマル、ヒノヒカリ。

Dさんの圃場

田尻のEさんには今回もお目にかかれませんでした。有機認証米を栽培されています。

こちらもしっかりと実り黄色く色づいていました。収穫は近そうです。

Eさんの圃場

合鴨農法を長年されている市内北西部のFさんのところはどうなったでしょうか。

再会を楽しみにしていた鴨たちは田んぼにいませんでした。鴨も稲も大きくなったので捕まえて自宅へ連れて帰られたそうです。その鴨たちはどうなるのかと言えば、11月末まで飼育して、業者に委託して鴨肉になってしまいます。初めて聴いた時は驚きましたが、毎年ヒナが必要であり、成長した鴨の行き場がないので仕方がないのです。

鴨のヒナの値段に驚きました。肉にするにも処理コストがかかり、売り先を見つけてコストを黒字化するのはたいへんそうです。無農薬米と無農薬の田んぼの中の物しか食べていないプレミア鴨肉なのですが。(購入したい方はFさんに取り次ぎますのでFFPW事務局まで御連絡ください。購入可能時期は12月です。)

品種はヒノヒカリ。お米はしっかり実っていますが収穫にはまだ早い感じです。

Fさんの圃場

1羽だけ捕獲を逃れた利口な鴨がおり、日よけを付けてもらった餌場で水を飲んだりしていました。

よく見れば鴨が

さて、水を少なめにして草取りに励まれていたGさんの圃場はどうなったでしょうか。

ご覧のとおり、美しく実っていました。

Gさんの圃場

慣行栽培の田んぼで雑草が稲よりも高く伸びている所を時折見かけましたが、今回見学した圃場では雑草をほとんど見かけませんでした。農薬や化学肥料に頼らずとも、こんなにも立派に実ることを多くの人に知ってもらいたいと強く思いました。

米は1粒が1000倍になると言われます。私達の先祖が代々守り育てて来ました。稲穂が秋の日差しに輝く美しい風景を和歌山でこれからも守り続けて行くことを願います。